あれはとても寒い寒い冬のことでした、、、
どうも
副業ポイ活が大好き！
最近では月に１万～３万はブログで稼いでいる「ぴろ」です。
僕は物流系中小企業に約２０年務めているどこにでもいるフツーの小遣い制サラリーマン
独身時代には欲しいもの、買いたいものをなんでも買いまくり浪費癖がついていましたｗ
しかし
結婚してからというもの、毎月３万円の小遣い
その金額で毎月やりくりしなければいけない状況になってしまいました。
もともと
外に飲みに出たり、ショッピングが好きな僕
そんな額ではまったく満足することができません、、、
今はタバコも高いし、ビール、ウィスキーを毎日飲んでいれば
それだけで
月に３万円以上かかってしまいます。
それに
ロックンロールバンドしてるし、付き合いで外で飲んだりご飯食べることも多いので確実にお金が足りません、、、
目次
お金が足りない、、、
結婚後しばらくは欲しいモノをいろいろと我慢したり
飲みに行くことも控えたりしました。
お金が足りない時には
独身時代にコレクションしていた
CD、レコード、DVD、衣類、電化製品、本
こんなモノを売ったりして
毎月何とか凌いでいたのですが、、、
やっぱり、自由にお金を使いたい！！
というわけで、、、
僕は２０２０年（結婚してから３年後）にブログを開始！
なんとか月に使えるお金を増やそうとしたんです。
今回の記事はそんなお金が欲しい僕がブログを始めるちょっとだけ前のこと
会社からの給料以外でなんとか稼ごうとしていた時の話です。
それは今からおよそ〇年ほど前、、、
実は僕
会社に内緒！！
こっそりと派遣に登録！
１日だけ日雇いバイトに行っちゃいました♪
え～そうなんだぁ～
ピロさんもブログ始める前に他の方法で稼ごうとした時があったんだねぇ～
でも、なんで１日だけなの！？
なにかトラブルがあったの！？
そうなんですよ。
とある派遣会社に登録、僕が応募したのは
地元では結構規模の大きな食品工場でした。
主にコンビニに納品するおにぎり、麺類、総菜などを製造している工場でした。
おっと
あまり言うと場所がバレてしまいますねｗ
その一日バイトがかなりきつくて、、、（笑）
正直、二度と働きたくないと思ったんですｗ
今でも応募すればいつでも勤務OKなんですが、結局それから単発バイトは一回もしていません。
そうなんだね。
食品工場ってどんな感じなのかなぁ、、、
時給は１２００円
給料は１日（朝８時～夕方１８時頃）９時間で１０８００円でした。
現金日払いなので
お金を手にしたときは本当にうれしかったんですが
１日が地獄のように長かったです。
今回は
食品工場で一日働いてみて思ったことを実体験を元に記事にしています！
日雇い派遣で食品工場のことが気になるならぜひ、読んでみてくださいね♪
日雇いバイトしようと思った
月３万円の小遣いでは足りない！！
結婚して数年は我慢したものの
僕はなんとか月に使えるお金を増やそうとしていました。
だって毎月全然足りないもーん！！
当時、本業では土日は休める状況だったので
お金が欲しい僕は
休みの日にお金を稼ぐことはできないだろうか！？
と、考えました。
手っ取り早く
確実に稼ぐ方法！！
そう
現金日払いの日雇いバイトをすることにしました！
ネットで調べてみると
だいたい１日（９時間くらい）バイトすれば日払いで１万円くらいもらえる！
ということがわかった僕。
休みの日使って月に３日でも日雇いバイトしたら月３万円～
小遣いと合わせて月６万自由に使えるやん～
今の倍になるやーん！！
妄想で使えるお金が増え舞い上がる、ぴろ
こんないい方法はない！！
会社休みの日に単発バイトして稼いでみよう！！
会社にバレる！？
バレたらどうしようか、、、
・・・・・・しばし沈黙
結論！！
まぁ、いいか♪
やっちゃおう！！
結婚する前みたいに自由にお金使えるや～ん♪
日雇いバイト頑張っちゃうもんね～
ぴろは会社に内緒でお金を稼ごうと思い、名案を思いついたのです。
会社に内緒でこっそり派遣会社に登録、日にちを決めた
そんな風に思っていた冬のとある日、、、
僕はドキドキしながらも
会社に内緒でこっそり、とある大手の派遣会社に登録
そして
登録完了後にどんな仕事があるのか調べました
会社が休みの日に
単発、現金日払いの日雇い労働者になる！
とてもワクワクしました♪
だって家庭に入れなくていいお金を自分の力で稼げますからねぇ～
しばらく募集中の仕事を見ていて目に留まったのは
地元の海沿い、工業地帯の中のまあまあ規模の大きな食品工場でした。
この辺り一帯はコンビニに納品するおにぎりなどの総菜、弁当を主に製造している工場がいくつもあり、多くの派遣、日雇い労働者たちが毎日工場勤務しています。
僕が登録した派遣会社の検索画面でも周辺の工場では毎日日雇い作業者を募集している状態でした。
会社が休みの土曜日に働こうと思い、すぐに応募
登録した派遣会社から確認の電話が入り、応募完了です。
その派遣会社の担当者から
勤務時間の３０分までに現場（食品工場の事務所）に集合してください
と言われました。
食品工場で初めて働く場合、工場内に入る前に説明を受けないと勤務開始できないんです。
２回目からは直接工場に行って着替えてすぐに勤務することができます。
さて、人生初の食品工場勤務が決まりました！
あとは当日を待つのみ！
単発バイトで稼ぎますよ～♪
食品工場に着いた
風が強く、寒かった冬のとある日
出勤日当日、僕は早起きして朝６時過ぎにはその工場地帯にいました。
今日の勤務予定時間は８時～１８時です。
でも、食品工場勤務がはじめての僕は８時から３０分間、工場内の事務所で勤務するにあたっての心得？的な説明を３０分間受け、工場内に入ります。
近くのセブンイレブンでおにぎりを２個とブラックコーヒーを買い車内で待機
なんせ、はじめての経験なので待ち時間の間にタバコの本数も増えます。
一旦、工場勤務が始まるとたばこなんて何時間も、いや半日は吸えないことでしょう。
出勤時間が近づいてきたので覚悟を決めてゆっくりと車を動かしました。
少し迷いながらも勤務地に到着
この海沿いの工業地帯には同じような食品関係の工場がいくつもあるのです。
車を止めて事務所の方に歩き出すと
同じタイミングでゾロゾロと中に人が入っていきます。
人数は６人くらいでしょうか、、、
ベトナム人かマレーシア人らしき若い女性
中国人っぽい女の人
強面の２０～３０代くらいの男
覇気がまったくない若者
フツーのおばさん
無機質な表情、慣れた感じでダルそうに中に入っていきました。
その人たちは
慣れた感じで他の部屋へ入っていきました。
ぴろ「はじめてなんですが今日はよろしくお願いします！」
受付のおばさん「あっ、もう少しで担当者が来るからそこの部屋に入って待っててください！」
ぴろ「あっ、わかりました！」
少し強めの口調でぶっきらぼうに言われた僕は初の工場勤務に緊張していたこともあって少々委縮
しばらく待つと
作業服にスラックスを履いた格好
気が良さそうでどこの会社にもいそうな少し白髪交じりで眼鏡をかけたおじさんが登場！
おじさん「うちの会社は麺工場で主にコンビニエンスストアに納品する製造しています。衛生面のこと、服装のこと、注意点など。食品を扱う上で知っておかなければならないことが色々とあるので少しビデオを見て、冊子を読んでもらい、実際に服を着替えて工場内に入ってもらいます。」
わかりました！
今日はよろしくお願いします！
おじさん「あっ、それとこの説明は初回だけだから。２回目からは到着後、すぐに着替えて工場内に入ってもらっていいから。系列の工場ならどこも同じだから。今度応募して働く時は左側にある工場内に通じる部屋に入って。」
その部屋は
僕が事務所に到着した時に
ベトナム人や生活に疲れたようなおばさん
強面の男が
無表情で入っていった部屋です。
ぴろ（あっ、ここが工場内に通じる部屋だったんだ、、、、）
工場の管理者！？
おじさんの説明は続きました、、、
おじさん「食品を扱うから〇△✖◆〇△、、、絶対に気を付けて欲しいことは〇△✖◆〇△、、、あとは〇△✖◆〇△、、、だから〇△✖◆〇△、、、なので〇△✖◆〇△、、、そして〇△✖◆〇△、、、日払いなので帰りに現金で手渡します。あっ、ハンコは毎回忘れずに！」
わかりました！
そうします！
おじさん「では、説明は以上なので一日よろしくお願いします。頑張ってくださいね！」
ビデオを見ておじさんの話を聞き、正しい着替え方、工場内での常識、マナーなどを学んだ後
僕は工場内に通じる部屋に入りました。
中に入るとまずロッカー室
食品工場内に入る前にはいくつも部屋があるんですよ！
ここで私服を脱いで
次の部屋へ
ここで
白装束へ着替えました。
髪が完全に隠れるほど深い帽子を被り、マスクもしました
慣れない格好でホントに苦しい、、、
僕はこの姿になりました
↓
これで９時間耐えるのか、、、
近くにいた
５０代半ばくらいのベテランらしき男の人にアドバイスを受けつつ、なんとか着替えて次の部屋へ
次の部屋では全身コロコロ（服のホコリを取るやつ）を使ってエアーの前を通ります。
食品工場なので衛生面はかなり厳重
でもその分、着替えから工場に入るまでかなり面倒くさかったです。
そして最後の部屋
次の扉を開けるとついに工場内へ
というラスボスのいる部屋一歩手前～的な部屋へ
最後に消毒水なのか！？
２０センチくらい水を溜めているところを白い長靴を歩いたまま渡って工場内へ！！
食品工場に入った
扉を開けると
すぐに
無機質な機械の音があちこちで聞こえる、、、
ウィーン
ガシャン！
カタカタカタカタ、、、
ピーッ！！
ピー
カタカタカタ
ウィーンウィーン
ガシャッ、ピー
と。
ロボットアームが動く音やよくわからない合図のような音
レーンが不愛想にカタカタと動いている音
こんな音にまみれ完全に異空間
この世界観は体験したことある人じゃないとわからないかも！？
それほどまで外の世界とのキャップを感じました。
中には３０人、いや５０人ほどが忙しく動き回っていました
なにか機械にセットしてる人
レーンに無表情で並びひたすら具材をのせる人たち
それを監視する管理者？
その光景を見て
殺伐とした空間に拍車をかけました。
入ってすぐにわかったんですが
どうやら麵工場でコンビニで売られているカップに入ったうどんを製造していました。
そう、ここは麺工場
コンビニでよく見かけるおにぎりコーナー、弁当コーナーの下あたりに置いてあるカップうどんを製造していました！
僕は最初の説明で３０分遅刻していたような状態でしたが、製造ラインは８時から動いていたようです。
どうしたらいいのかわからず、しばらくうろたえていると
怖そうな人「一旦、班ごとに集合～！！ 今日の段取り確認してー！！すぐ集まって！！」
僕はロッカー室で出会った５０代半ばくらいのベテランらしき男の人を見つけ話しかけました
ぴろ「僕、今日はじめてなんです。どこの班で話を聞けばいいんでしょうか！？」
５０代半ばくらいの人「はじめてなんやな。あっちのグループに混ざって今日の作業聞いて！」
ぴろ「は、はい。わかりました、、、」
カップうどんを製造するラインに入った
僕はラインに並ぶ主婦、外国人パートさん達に混ざり午前中の作業内容を聞きました！
食品工場あるあるですが、日雇い契約で工場内に入るとどこの部分の作業を任されるのかはわからないのです。
楽な作業
きつい作業
すべては運次第なんです！
こういった食品工場ではその日に何万食製造するか事前に計画されていて
製造が一旦落ち着いてめどが立ったら休憩になります
なので
昼１２時にきっかりみんな休憩～！！
なーんてことはないのです
早ければ１０時かもしれないし、当日の製造工程で何かトラブルがあれば夕方になっても休憩できないかもしれません、、、、
僕はベトナム人かマレーシア人らしき若い女性、中国人の女性、フツーの主婦？地元のおばさん達と共にラインに並び、うどんにかまぼこをのせていく作業を担当することになりました。
製造ラインの全体像はこんな感じ
↓
まず、ベテランのおばさんや５０代くらいのラインリーダー的なおっさんが数人でカップに麺を投入
コンベアーで流れてくる
しかもまあまあ速いスピードで！
ライン上の両側には
複数（３０人くらい？）の具材を入れる部隊が横並びして待ち構えている
かまぼこ部隊は４人
ねぎを入れる部隊
向かい側にはわかめを入れる部隊
隣には油揚げを入れる部隊
最後にすべての具材がそろっているかどうか確認する部隊
約３０名の精鋭たち！！
製造ラインの両側は血眼で必死にカップ手を動かしつづける多くの人に取り囲まれていました！
これ余裕っしょ～♪
ただ、かまぼこのせるだけ！
カンタンじゃん。
と、思ったのもつかの間、、、
ラインの動きは想像以上に早い！！
ウィーン
カタカタカタカタカタ、、、、
次々と流れてくるカップうどん１つ１つに正確にかまぼこをのせていかなければならない！
これがまた単純で退屈
しかし、ボーっとしたり、気を許すことはできない！！
常にうどんの行方を気にしながら正確に入れていかなくてはいけないのだ！
１つでも入れ忘れると
そのうどんはラインの最終で弾かれ、またライン上に戻る
入れ忘れのミスが多くなると結果的に配属を変えられる
まぁ、スピードにもなんとかついていけたので同じ作業をひたすら繰り返しました！
～１時間経過～
すでに飽きた
目が疲れてきた
ずっと同じ作業
ずっと
ずっと、、、
ラインの責任者的な人「おい！！かまぼこの人、油揚げ開ける方行って！」
ぴろ「はい、わかりました！！」
作業開始から１時間後、僕はラインを外れて他の部署に異動したのです。
次は袋に入った大量の油揚げを大きなざるに移し、大きめのトレーに３００枚ほど並べて
ラインの油揚げを入れる人たちへ提供する係になりました。
やったー♪
かまぼこから逃れられたぞ～嬉し～♪
そう、その時はわからなかったんです。
これが地獄のはじまりとは知らずに、、、
油揚げを５時間連続でラインに運んだ
かまぼこの盛り付け作業の次に配属されたのはラインの隣にある
具材をラインに並ぶ作業者達に提供する部隊でした。
この係も１０人くらい忙しそうに動いています
僕は油揚げをラインに運ぶ係
運ぶのは大きめのトレー（油揚げ３００枚くらい、重さ１０キロくらい）
油揚げを袋から出し、ザルに移し、トレーに３００枚並べ
スピーディーにラインへ持っていきます
もたもたしていると
ライン上の油揚げがなくなってしまうので一刻の猶予もありません。
とにかく急がないといけないのです
このポジションは力仕事
冷凍室から出してしばらく解凍していたのであろう
ナイロンパックに入っている山積みされた油揚げの袋を１袋づつ業務用ハサミを使い、すばやく開封
大きなザルに１０パック分くらい入れ、その後専用の台の上でザルから大きなトレーに並べる
指定された並べ方で約３００枚入れて、そのトレーをライン作業者に渡すという手順
このポジションもとにかく慌ただしい
時間が足りないｗ
袋から出してるうちに
ラインのトレーが空に
これをそそくさと回収
持ち場へすばやく戻り
油揚げが３００枚入ったトレーを製造ラインへ！
トレーに油揚げを並べていると
またラインの油揚げが少なくなってきて急いでトレーを補充
トレーやザルをしゃがんで持ったり、重ねるために持ち上げたり、、、
すこしでもペースが落ちると
製造ラインのおばさんに嫌な顔をされました
ベトナム人、マレーシア人の若い人はフォローしてくれたり、やさしく教えてくれたりしましたｗ
うっ、腰が痛い、、、
１時間ほど同じスピードで繰り返しているとすぐに腰に負担がかかり、疲れてきました
ぴろ（こ、これ、、、いつまで続くんだよ、、、現代の地獄じゃねぇか。）
僕はこの単調で体に負担のかかる作業を永遠と繰り返しました。
僕は泣きそうになりました、、、
休憩は！？
休憩したいよ～
たばこ吸いたいよ～
同じ動作をいくつ繰り返したでしょうか、、、
もはや僕の意識は別のところに飛んでいます。
頭では他ごとを考えながら、、、
とにかく必死に体だけ動かしました、、、
～５時間経過～
時刻は昼３時前
いつも会社で休憩開始となる１２時を超え、休憩なし、５時間ぶっ通しで油揚げですｗ
と、そんな時、急にラインのベルトコンベアの動きがゆっくりになり、いったん休憩になりました。
当日の製造数のめどが立ったのでしょうか。
これは、、、
泣くほど嬉しかった！！
しかし、休憩と言っても時間はアバウトな感じ
白装束を脱いで私服に着替えるだけで１０分くらいかかります
時間の無駄ですがやむを得ません
なぜなら、、、
とにかく外に出たかった！！
タバコ吸いたかったんですｗ
着替えた後、コンビニで買っておいたメロンパンを急いで食べ、即座に工場の外にある喫煙所で一服
めちゃくちゃ生き返りました
ふぅ～シャバの空気ってこんなにウマいんだ！
自由っていいことなんだなぁ～♪
刑務所から出てきたような
やっと自由を手に入れたような
そんな気分でした！
～４０分後～
ロッカー室に戻った僕は
もう工場内に戻りたくありませんでした
しかし、派遣会社からの説明で業務終了は製造終了するまで！
いつもだいたい１８時くらい
すばやく白装束に着替え、コロコロで服のホコリを取り、エアー室で暴風を浴び、消毒水につかり、再び工場内に突入しました！！
生きて帰りたい！
会社が恋しい！！
自由って素晴らしいんだなぁ～！！
いざ、ラスト３時間
うん、、、体痛いけど頑張ろう、、、
ただいま～麺工場♪
空トレー片付け地獄
ウィーン
ウィーン
シューゥ～
ゴーゴーゴーゴー
カタカタカタカタ、、、、
カタカタカタカタ、、、、
再び、ゆっくり動き出した製造ライン
いったい、このベルトコンベアーで朝から何万食のコンビニカップうどんを作ってきたのだろうか、、、
１５時からの製造ラインの動きは緩やかな感じ、、、
朝はライン両側合わせて３０人くらいいましたが
半分の１５人くらいに減っているようです。
心なしか白装束姿のパートさん達も穏やかな雰囲気になっています。
そしてもう見たくもない油揚げの配置に戻り、ラインの動きに合わせて緩やかに作業すること５分、、、
５０代半ばくらいのベテランらしき男の人に声をかけられました。
（あっ、朝ロッカー室で話した人だ！！）
気付かなかったのですが
どうやらこの人、製造ラインの先頭（油揚げ作業から見えないところ）でライン作業者の動きを監視していた責任者だったみたい
５０代半ばの男「おい！今日からの油揚げの人！もう、ライン終わるから、あっちに片付け行って！！」
ぴろ「は、はい。」
指ささせた方向を見てみると山積みされた使用済みトレー
ボール、菜箸、スプーンなども山積み
ラインの方から次々と調理器具が運ばれてきます
このポジションも
一刻の猶予もありません
次々と片付けないと
ラインの人たちがひっきりなしに洗い物を持ってくるのです。
僕は高圧ホース、スポンジを使い自分が動ける限り、早いスピードで動きました！
洗い場
僕ひとりだけ！！
パートのおばさんやマレーシア人らしきパートさん達どこいったの～
とにかくスピード重視！
腰は痛いけど
動き続けなければならない
スポンジフル回転
高速で仕上げる！
チャチャッと洗い上げ
マッハで指定された置き場に収納！！
体をすぐに定位置へ戻し
同じ動作を繰り返していく
もはや初日勤務とは思えないくらいの高速洗浄！！
体は痛いけど、、、（笑）
５０代半ばの男が近寄ってきた、、、
５０代半ばの男「なんで食品工場に来たの？？また派遣はいることある！？」
ぴろ「小遣い稼ぎですよ。会社からの給料だけでは厳しいんです。」
５０代半ばの男「今は厳しいわな！！ここの系列の工場はどこも同じような感じやわ。ここは少し設備が古いかな。また入るならよろしくな！」
ぴろ「はい！」
（２度と来るか、、、こんな厳しい世界だとは思わなかったよ、、、）
２人の男は白装束、マスク姿で少し会話しました。
僕はその後もひとりでひたすら立ったり座ったり、小走りしながらドタバタと洗い物を続けたのです
～５０分後～
別の責任者らしき小太りの男が近づいてきて言い放ちました！
その男「洗い場の人！そこ女の人２人入れるけん、あっちの部屋のネギ砕き行って！」
は！？
ネギ砕き！？
時刻は１７時が近づいています
残り時間１時間くらい！！
やっと強制労働から解放される！！
しかし、突如として任命される作業！
「ネギ砕き」
おそらく僕の本日最終の作業になるであろう「ネギ砕き」
僕は小走りで部屋を移動しました、、、
怒声の中での「ネギ砕き」
その部屋へ移動すると
いよいよ今日の製造工程もほぼ終わりの雰囲気、最終の片付け、明日の準備！？
３０人～４０人が殺気立った顔で足早にそれぞれの作業に取り掛かっていました
工場内には数名の責任者らしい人の怒声が響きます。
管理者「おい！そこ、なんしよんや！こっちでコレ、ゴミ捨て場に持って行って！」
別の責任者「３人集まって！ 台車でコレとコレそっちの部屋に移動して掃除用具置場からホウキ出して床掃除して！」
また別の場所で怒鳴り声！！
管理者「おい！！コレ、なんでできてないん！？ 急いで５ケース冷蔵庫から出せよー！！」
あわあわする僕、、、、
恐る恐る管理者に声をかけました。
ぴろ「ネギ砕きはどこに行けばいいですか！？」
管理者「ネギ砕き、やっときたんか！急いで冷蔵庫からネギ出して完全に解凍できてないネギ１０ケース分、叩いて砕いて！ その台の上でいいけん、とにかく強く叩いて！」
ぴろ「わ、わかりました！」
よくわからないまま冷蔵庫へ向かう僕
シャッターのボタンを押し勢いよく中へ！！
うん！？
これ、冷凍庫！？
間違えたよ、、、
（ヤバい、何人かに見られてる。早く閉めないと、、、）
あれ！？閉め方がわからない
ボタンどこにあるの！？
冷凍庫を開けっ放しにすること１分くらい
すぐに怒声が響きます
管理者「おーい！！お前、冷凍庫開けっ放しやぞ！はよしめーや！！」
ぴろ「す、すみません、、、」
近くにいた背の高い強面の男「まだ、閉めんのか！！ここをこうやってこうするんや！！なんしょんや！」
ぴろ「す、すみません、、、冷蔵庫はどこでしょう、、、」
背の高い強面の男「あそこや！！開け閉めはココと同じや！」
えっ？？
同じと言われても、、、よくわからないです泣
近くにいた気の弱そうな若者を捕まえて冷蔵庫の閉め方を聞き
すぐに１箱２０キロくらい
ネギが入った箱１０ケースを言われた台の前に移動
かなり冷たい、、、
手袋を履いていてもかじかむ指先
箱をハサミで開けるとナイロンパックに小分けされたネギのパックが２０パックほど入っていました。
そこからネギ１パック出して試しに叩いてみる
ドーンドーンドーンドンドン
両手で交互に思いっきり叩いた
か、硬い、、、
手が痛い
ネギはなかなかほぐれない
まったく捗らないネギ砕き
それを繰り返すこと約５分
遠くからその光景を見ていた強面の男の怒声が飛んできた！
背の高い強面の男「おーい！！お前なんしよんや！！弱いだろ！もっと叩けや！こうするんや！」
その男は真剣な顔で僕に詰め寄り、僕を押しのけ実演して見せた。
男は両手こぶしを交互に振り上げ、ネギパックに乱れ打ちをかます！！
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ！ ぽいっ
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドン！！ ぽいっ
瞬く間に砕けるパックのネギ
「こうやるんや！！思いっきり叩け！！」
すごい！！
僕も半泣きになりながら男のマネをしてありったけの力でネギを叩き続け、作業した
手が痛む、、、
冷たい
指の感覚がない
もはや
工場内の冷え切った空気感と怒声、鳴り続ける機械音によって錯乱状態一歩手前のまま作業を続ける
手を休めることはできない
そんなことできない
休めていればすぐに怒声が響く
現場ではドタバタ状態、誰が何をしているのかわからないほど人が動きカオス状態
ネギを叩いている間も忙しそうに周りの人々が動き続けている
他の場所で怒声が響く！
管理者「片付けできたか！！あとはコレ、あとコレ！ おーい！５人集まれー！！ ネギに行ってくれ！！」
工場内にかけられていた時間を見た
ラスト２０分！！
１８時まで後もうすこしになっていました
冷たい工場内がより一層冷えてきたように感じました
半泣き状態で拳をネギにぶつける僕の前に
突如、現れた５人の頼もしい仲間達！！
おばさん、小太りのおばさん、フィリピン系の男、マレーシア人っぽい若い女の人、覇気のない若者
６人で協力して一気にネギを砕きまくる！！
ドドドドドドッ ポイッ
ドドドドドドドドド ポイッ
ラスト５分
ドドドドドドドドド
ドドドドドッドドドド
一向にネギ砕きは終わらない
７ケース位は終わっただろうか、、、、
ネギはまだまだ箱の中
僕は時間が気になり、時計を見ました
時刻は１８時を回っていました
遂に遂に、、、
やっと家に帰れる！！
まだ作業が終わっていないながらも派遣会社から１８時までとの説明を受けていたので
恐る恐る近くの管理者に声をかけました
ぴろ「ぼ、僕〇〇〇の派遣から入ってまして。時間が来たのですが、、、、どうすればいいでしょうか！？」
管理者「あ！？時間やな！そしたら後は残りの５人に任せて上がって！！はい、お疲れさん！」
終わり！終わっていいの！？
やったー
僕はこの瞬間本当に嬉しかったです！！
これはとても
中途半端なフィナーレ！！
しかし
ぴろ、身体を酷使しながらもやり遂げました！！
ロッカー室で着替え、現金を受け取った
白装束を脱ぎ、ロッカー室で私服に着替え
また久しぶりのシャバ
いったい何時間、、、閉鎖的な場所に閉じ込められていたのか！？
たった９時間とは思えないほど
自由な世界は遠い向かいのように感じられました。
手は痛むし、腰は痛い
一日中工場内にいたことで機械音や怒声がこびりついて頭はややボーッとするし
着替えを早めにすませ、工場の事務所まで戻った僕が真っ先に思ったこと！
とにかくこの場所を離れたい！！
すぐにでも
お金を受け取ってこの空間から逃れたい！！
たった１日だけの経験でしたが
夕方にはそう思ってしまうほど僕の精神と肉体は疲弊
出勤前までは次の日（日曜日）も会社休みだし連続で勤務しちゃおっかな～♪
とか思っていたのですが、、、、
とんでもない！！
身体がクタクタでとても疲れました。
もう、一日で十分です！
こんな環境の中、毎日のように工場内で労働している人たちを尊敬しますよ～
とりあえず現金を受け取ろう！
ハンコを持って事務所を訪ねると
名前を書いてある封筒がいくつも並べられていました
事務所の女性に名前を伝え、１万８００円入った封筒を手渡しでもらう
僕の月のお小遣いは３万円
それにプラスして１万円小遣いが増えたのです。
受け取った時は本当にうれしかったですよ！
日雇い労働の闇
少し遅れてゾロゾロと数人が事務所へやってきました
僕と同じように白装束を脱いで現金を受け取りに来たのでしょう。
３０代くらいのタトゥーの入った浅黒い肌で身長の低い男、３０前後の肥満体系おしゃべりが好きそうなギャル風の女、マレーシア人っぽい２０代くらいの女
みんな日払いのお金を受け取って顔がほころんでいます！
タトゥーの男「今日、この後〇〇さんのとこ飲みに行くけんな。朝まで店おるかも。」
肥満体系のギャル「えーまたあそこ行くの！？カラオケしたいけどあの人がおるかもしれんし、違う店でカラオケしようよ！！ねっ！！」
タトゥーの男「いや～ボート行ってから、後で〇〇さんのとこで歌う。〇〇ちゃんも来るやろ！すぐ来てってメール来てるわ。」
マレーシア人っぽい女性は事務員に軽く会釈した後、そそくさと事務所を出て帰っていきました。
男とギャルはうれしそうに
今晩は何して遊ぶか！？ということを楽しそうに、嬉しそうに話し続けていました。
日雇い労働者たちの何気ない会話を隣で聞いてみて
日雇い労働の闇を感じました
おそらく彼らはほとんどその日暮らしのような生活
働いた金を手にすれば
飲みに行ったり街に繰り出しパチンコ、ボートなどのギャンブルでその日のうちに散財
そして金がなくなれば
また同じようにこの海沿いの工場地帯にやってきて
単発日雇いバイトで日銭を稼ぐのです。
彼らにはおそらくまともにお金は残らないのでしょう！
工場内での過酷な仕事を終え、終われば金を手にし、パーッと快楽の世界へ！！
ギャンブル、呑み代でお金を溶かす日々、、、
そんな毎日を送っているのです。
日雇い派遣バイト、食品工場労働者の労働者はフツーのパートのおばさん、中年男性もいますが
このようにその日暮らししている人、過去にワケがあって会社を辞め、派遣バイトしている人、フツーの企業に雇ってもらえない人
このような人たちが多いのもまた事実です。
単発日雇いバイトで１日だけ食品工場で働くことができ、そこで働く人々に触れ
日本の低所得者層、貧困層の闇をすこし見てしまったようなそんな貴重な体験となりました！
まとめ
ウィーン
カシャッ！
ピーピー
カタカタカタカタカタ
ゴーゴーゴー
「おい！！お前！次あっちであの作業に入って！！」
責任者の怒声が響き渡ります
ウィーン
カタカタカタカタ、、、、
ウィーン！
ピーッ ピーッ！！
日中の工場内、地獄のような、いや抗争のど真ん中
いや、戦時中さながらの
食品工場内の殺伐とした景色が頭の中でリピートされます
明日は日曜日
会社は休み
お金を稼ぐより、久しぶりに娘と向き合って公園でボール遊びしよっかなぁ。
でも、腰大丈夫かなぁ！？
１万８００円を手にした疲れ切った男
家に帰る車内でこんな風に考えているのでした、、、
終
※この話は登場人物設定など多少の脚色はありますが、９８％実話に基づいて書きました。
